ストロボを使った夜のロケ撮影
先日、関西の某所で夜にロケ撮影をしてきました。
昼間のロケ撮影ではストロボを使う必要がない場合も多いのですが、夜間のロケ撮影ではストロボなどの照明は必須になります。
今回は、ストロボを使った夜のロケ撮影ついてお話したいと思います。
撮影した写真
まずは、撮影した写真を御覧いただきたいと思います。
この写真は、後述する方法で撮影しています。
●撮影条件等
- カメラ: Nikon D7200
- レンズ: SIGMA 17mm-70mm F2.8-4.0
- ストロボ: GODOX TT600(ガイドナンバー60)
ソフトボックスを使用しスタンドに固定 - 無線シンクロ: GODOX X1T
- シャッタースピード: 1/5秒
- F値: 3.5(開放値 3.4)
- ISO感度: 400
- ストロボ発光量: 1/8
- Lightroomにて +2EVに補正
・レイヤー様: touyaさん
・キャラ: セイバー/fate staynight
ちなみに、ストロボを使わないとこのような写真となります。人物が暗く潰れてしまいまっています。(これはこれで、雰囲気はあるのですが…)
したがって、やはりストロボを使うことが必須となります。
ストロボ等の配置
ストロボ・カメラ・人物などの配置は下記の通りとしました。
カメラとストロボは、先述の機材を使用しています。ストロボは無線シンクロして、ソフトボックスを使用しています。カメラは三脚に固定しています。レリーズは、リモートで手元操作できるものを使用しました。
ストロボの位置は、人物の左側でも右側でも良いです。構図や人物の好みによっても変わってくるでしょう。顔の向きは、顔が見える構図の場合はストロボの方に向けると良いでしょう。ストロボの光で顔に影ができないように注意します。カメラは、顔の向いている方向から人物を狙うと良いでしょう。
ピント合わせ
ピント合わせについてですが、最近のカメラだと暗くても顔にピントが合うのですが、そうでない場合は懐中電灯やLEDライトで顔に光を当て、光があたっている間にピントを合わせるなどするとよいでしょう。ピント合わせが終わったら、懐中電灯やLEDライトをOFFすることを忘れないでください。
ピントが合わないときは、瞳AFをOFFにして、通常のオートフォーカスを利用します。
それでもだめな場合は、マニュアルフォーカスモードに切り替え、ライブビューモードで顔の部分を拡大して調整します。
ピント合わせが終わったら、その後ピントがずれないように、カメラ側のスイッチでマニュアルフォーカスモードにしておくと良いでしょう。レンズ側のスイッチでマニュアルフォーカスモードに切り替えると、ピントリングが回ってしまうためピントがずれる可能性があります。
シャッタースピードとストロボの出力
シャッタースピード等は、先述の通り概ね下記の通りとしました。
まずは背景の明るさが適正露出になるよう調整します。
人物の明るさは、ストロボの光で調整します。この撮影を行ったときは、ガイドナンバー60程度のストロボで 1/4~1/8 程度の出力で発行しました。ストロボと被写体との距離は5メートルから10m程度、ストロボにはソフトボックスを装着しています。
可能であれば、後幕シンクロの設定をしておきます。
ここで、もう1枚ストロボを使わなかった場合の写真を見てみます。
人物は黒く潰れているようですが、ストロボを適切に当てることによって、人物だけに光を当てることができ、人物も背景と同じくらいの明るさで撮影することができます。
ストロボは一瞬だけ発行する閃光です。もしこれが定常光であれば、シャッタースピードが 1/10 以下になると人物が微妙に動いてブレてしまいます。閃光であれば、一瞬だけの動きを写真に収めることができ、人物のブレも少なくてすみます。
シャッタースピードは、上記の写真のように人物に少しだけ環境光があたっている状態では 1/10~1/5 程度にするとよいでしょう。もしそれ以上に遅くすると、環境光によって人物がブレて見えてしまいます。
それとは逆に、環境光がもっと暗い場所で、人物がほんとうに真っ暗というときは、シャッタースピードをもっと遅くしてISO感度を稼いでもよいでしょう。背景が適正露出になるように優先してください。人物は閃光で浮かび上がらせます。
このようにして、次のような写真を撮影することができました。
まとめ
暗い夜のロケ撮影は、次のように行うと良いでしょう。
- カメラは三脚に固定する
- ストロボはソフトボックスを使用する
- シンクロは無線シンクロでおこなう
- レリーズはリモコンを使用する
- シャッタースピードは、環境光がある場合は 1/10秒~1/5秒程度とする
- 最初に背景が適正露出になるように調整する
- 人物の明るさはストロボの出力で調整する
- 可能であれば、後幕シンクロ設定とする
- ピント合わせは、顔に光を当てておこなう
では、よい撮影を楽しんでください。
ご協力いただいたレイヤー様: touyaさん。
ありがとうございました!!