はせこう写真館

はせこう(@hasekou)の写真に関するブログです。

ストロボの種類と選び方~カメラからストロボを離して使いたい編~

みなさまこんばんわ。
はせこう。です。

先日私の友人たちであることが話題になりました。
私が大好きな音楽の一つ、Sound Horizon がアルバム「イドへ至る森へ至るイド」「Märchen」を出してから、そろそろ9年近く経ということでした。

それらのアルバムの始まりの曲が「光と闇の童話(Märchen)」という曲なんです。

光と影...陰と陽....

これを写真で表現できたら、すごくかっこいいなとおもいますよね。


ストロボがあれば、被写体を明るくできるだけでなく、陰影をつけたり、光と影、陰と陽をコントロールできます。

たとえば、こんなかんじに...

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オルタンスとヴィオレット/Roman/SoundHorizon.



さて、本題に入りましょう。 

今回はストロボの種類と選び方を紹介します。
後半は、いま流行りの「カメラからストロボを離して使う」方法についての紹介です。

まずは、ストロボの基礎から紹介しましょう。

ストロボの種類

ストロボの種類は大きく分けて

  • 大型ストロボ
  • クリップオンストロボ

があります。

大型ストロボは、写真スタジオに最初から据え付けてあるようなタイプや、持ち運び可能なタイプがあります。
これらはさらに、電源と発光部分が別になっている「ジェネレーション・タイプ」と「モノブロック・タイプ」があります。

今回主に紹介するのは、小型で扱いやすい「クリップオンストロボ」です。

例えば、テレビのニュースで記者会見のときにカメラの上に取り付けて撮影しているあれです。


●ストロボの明るさについて

大型ストロボは、ものすごく明るく光りますが、クリップオンストロボでもそこそこ十分な明るさがあります。

ストロボの明るさは、クリップオンストロボでは「ガイドナンバー」で表記され、大型のストロボではWs(ワット秒)で表記されます。

どちらも大きいほうがいいのですが、クリップオンストロボではガイドナンバー50-60程度のものを選ぶと良いでしょう。


●ストロボの取り付け方・設置方法について

クリップオンストロボの代表的な使い方大きく分けて2つです。

  1. カメラに取り付けて使う
  2. カメラから離して使う

それぞれの使い方について説明します。

1.カメラに取り付けて使う

通常は1.のようにカメラに取り付けて使うことをイメージします。
たとえば、こんなかんじに。

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この場合、被写体に直接光が当たるように、発光面をレンズと同じ方向に向ける場合と、天井や壁などに発光面を向ける場合があります。

 

2.カメラとストロボを離して使う

コスプレ撮影などでよく使われるのが、2.のようにカメラから離して使うパターンです。

カメラとストロボを離して使うことが出来れば、ストロボを自由に配置できますので、構図や影の付け方など自由度が向上します。
また、複数のストロボを同時に使用することもできます。自由度が更に向上します。

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カメラとストロボを離して使うときは、次のようにすることが多いです

  • 床において使う
  • ストロボスタンドに取り付けて使う

コスプレ写真などでは、光と影をつくったり、光を強調するためにストロボを使うことがあります。そのようなとき、光源であるストロボを床においたりスタンドに取り付けたりして配置を工夫します。

これについては、別の機会に紹介したいとおもいます。

 

●カメラとストロボの連動(シンクロ)

さて、ストロボはシャッターを押すと光るような気がしますが、どうやってストロボと発光が連動しているのでしょうか。
実は、ストロボとシャッターは、アクセサリーシューにある接点からの制御信号によって連動しています。

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クリップオンストロボをカメラのアクセサリーシューに取り付けているときは、ストロボはその制御信号を直接受け取ることができます。

制御信号は、大きく分けて2種類あります。

  • 「光れ!」という信号
  • その他制御信号

昔のカメラですと、「光れ!」という信号にあわせてストロボを発行させるだけでした。
最近では、高度な撮影のために、その他の制御信号も送られます。

 

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その他の制御信号は、たとえばハイスピードシンクロ(シャッタースピードが概ね1/250を超える場合)での撮影や、ストロボとレンズのズームを連動させる機能やTTLを使った撮影のための信号です。

「光れ!」という制御信号は、シンクロターミナルやアクセサリーシューの真ん中にある大きめの接点から出力されます。

その他の制御信号は、アクセサリーシューにある、真ん中の大きい接点の周りにある接点から出力されます。

ストロボとカメラを離して使う

カメラから離して使うときは、制御信号を直接受け取ることができません。
ストロボをカメラから離して使う方法は、以下の3通りです。

  1. 有線のケーブルで接続する(有線シンクロ)
  2. 無線で制御信号を送る(ワイヤレスシンクロ)

それぞれを簡単に説明しますが、おすすめは 2. のワイヤレスシンクロです。

 

1. 有線のケーブルで接続する(有線シンクロ)

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 一部の上位機種ではカメラの本体に「シンクロターミナル」という端子があって、そこに「シンクロコード」と呼ばれるケーブルを接続して、ストロボと接続します。ストロボ側にもシンクロターミナルがあります。
シンクロターミナルが無いカメラでは、アクセサリーシューの形状をシンクロターミナルの形状に変換するアダプタを使います。
ただし、安価なストロボではシンクロターミナルが装備されていないものもあります。
シンクロコードを分岐すれば、2台以上のストロボを連動して発光させることができます。

この方式は、ケーブルの取り回しに苦労しますし、ケーブルも結構高価なので、次第に使われなくなってきています。それに取って代わるのが、次に紹介するワイヤレスシンクロです。

 

2. 無線で制御信号を送る(ワイヤレスシンクロ)

カメラのアクセサリーシューに専用の送信機を装着し、ストロボを発光させるための制御信号を無線で送信します。最近は、この方式を使っている人を多く見かけるようになりました。

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ストロボのほうは、その送信機に対応した受信機を内蔵しているものが必要です。未対応のストロボでも、外付けの受信機を取り付ければ対応できます。

さらに、無線シンクロを使えば、複数のストロボを同時に扱うこともできるようになります。

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 無線シンクロができるストロボ紹介

無線シンクロができるストロボは、カメラメーカーのNikonや、老舗メーカーのコメットをはじめ、新興勢力としてはGODOXやYONGNUOなどがあります。

Nikonやコメットなどの機材は非常に高価ですので、今回はGODOXを紹介します。サードパーティといえど、性能と耐久性は十分ですので安心してください。

GODOX

GODOXは最近になって台頭してきたメーカーの一つで、価格と性能のバランスが非常に良いと感じています。カメラメーカー純正や老舗メーカーの1/3~1/10くらいの値段でそこそこの機材を揃えることができます。耐久性や可用性なども十分です。

送信機

送信機としては、X1TX2Tなどがります。私が使っているのがX1Tです。私が使っているはNikon用ですが、Canonなど主要メーカーのカメラには対応しています。カメラメーカーに対応する送信機を購入する必要があります。価格は5,000円~7,000円程度です。

X1Tをカメラに取り付けると、このようになります。

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X1Tの後ろにはLCDパネルがあり、ダイヤルを使ってストロボの発光量を調整することができます。

通常のストロボは、ストロボの本体の裏面に発光量を調整するダイヤルがありますが、この送信機と対応するストロボを使えば、手元でストロボの発光量を調整することができます。

ストロボが遠いところにおいてあったり、複数のストロボを扱う場合費に上に便利ですね。

X2TはX1Tの後継機で、操作性が向上しています。

そのほかには、XPro-Nという機種があります。この機種はLCDパネルが広いので設定操作が非常にやりやすいです。

なお、これらの機種には非常に便利な機能があり、2灯以上のストロボを扱う時に、夫々のストロボにグループ名をつけて、同じグループ・別のグループなどの設定ができます。夫々のグループごとに光量の設定ができます。

 

 ストロボ本体

ストロボ本体は、おなじGODOXのメーカーで、対応する機種を揃える必要があります。ここで紹介する機種は、すべて受信機を内蔵しており、先述の送信機に対応しています。

初心者におすすめで、安価で使いやすいのがTT600です。

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TT600は、ガイドナンバーが60で、GODOXの送信機に完全に対応しています。送信機側での光量調整もできます。

電池は単3乾電池4本を使用します。エネループなどの充電式の電池も使用できます。価格も7200円程度と非常に安価です。

そのほかには、V860があります。ガイドナンバーは60で、TT600と同じですが、電池が専用のリチウムイオン電池となっています。電池の容量も大きいので、単三電池より長持ちで、チャージ時間もTT600より短くなっています。値段は20,000円程度です。

大型のストロボとしてはAD200があります。明るさは200Wsです。専用のリチウムイオン電池を使用します。

GODOXのストロボとして代表的なものは上記の3機種です。

ちなみに、ストロボ側はカメラメーカーの縛りはありません。NikonCanonSonyも共通して使用することができます。

 

初心者におすすめの構成

GODOXのシステムを使う場合に、おすすめの構成は下記の通りです。

  • 送信機: X2T ・・・ 1台(またはカメラの台数分)
  • ストロボ: TT600 ・・・必要なだけ

送信機であるX2Tは、基本的に1台あればいいです。多灯撮影(2台以上のストロボでの撮影)する場合でも、送信機は1台あればいいです。

カメラが複数あり同時に使う場合は、台数分だけ必要になるでしょう。

ストロボはTT600をおすすめします。安価で使いやすく、ガイドナンバーが60と実用上は十分だからです。

私も1年以上使いましたが、ほぼ毎週撮影し酷使しても故障もなく使えています。(何回か落としたりしてますが、壊れてません)

ストロボの台数は、最初は1台だけでも十分ですが、できれば2台あったほうが撮影の幅も広がります。

最初は1台で、あとで買い足すことも可能です。もとの送信機を共用してつかうことができます。

 

さて、今回はストロボの種類と選び方、とくにカメラからストロボを離して使う方法について紹介しました。

ストロボを活用して、エモい写真を量産しましょう!