綺麗な星の写真をとるために考えること
先日、星の写真を撮りに行ったわけで、予想以上にきれいに撮れたわけです。
何も考えずにあの日、あの時間行ったわけではないんですよね。
綺麗な星の写真を撮るために必要な条件を考えて撮影の日時を決定しました。
「綺麗な星の写真を撮るために必要な条件」とは、大きく分けて下記のとおりです。
- ①空気の綺麗な場所であること
- ②空気中の水蒸気が少ないこと
- ③雲がないこと
- ④周りに明かりがないこと
- ⑤月が明るくないこと
- ⑥露光時間は1~2秒程度で
です。
①②③については、要は大気に余計なものがないか、ということです。
星の光ってすごく弱いんですよね。なので、地球に届くまで、そして、地球上の大気や空気でさらに弱くなります。
空気には、酸素とか窒素とか二酸化炭素の他に、目に見えない細かいチリやPM2.5などの物質が含まれています。そういうものは星の光をものすごく弱めてしまうんですよね。
なので、空気の綺麗さは非常に重要なんです。空気のきれいな場所、ってどんなところでしょう。
そのひとつが「人が住んでいない場所、人が少ない場所」です。人が少ない場所は、クルマも工場も少ないので、空気中の目に見えない細かいチリやPM2.5などの物質がすくないです。
空気中の水蒸気も、星の光を弱めてしまいます。空気中の水蒸気が少ないほうが良いです。空気中の水蒸気って、つまりは湿度です。湿度が低い日がいいです。それに加えて、気温が低い日がいいです。気温が低いほうが、空気中の水蒸気が少ないからです。
雲は...いうまでもないですよね。曇ってなくて晴れた日がいいです。
④の「周りに明かりがないこと」については、まわりの明るさで星の光がかきけされてしまうためです。都会では星が見えないのは、空気が綺麗でないのもありますが、この光の影響が大きいです。
まわりがまっくらなのが理想です。でも、まわりがまっくらなところはなかなかありません。なるべく周りに人が住んでいないところを選びましょう。人が住んでいなければ、光もでません。
⑤の「月が明るくないこと」ですが、これも同様です。月のあかりで星の光がかき消されてしまうのです。月の光がない新月の夜の撮影がベストです。または新月の前後の日は深夜には月が海に沈むのでその時間帯でもOKかもしれません。
これまでのことを簡単にまとめると
- 新月の日に
- 周りに人が住んでいないところで
- できるだけ寒い日で
- 晴れている日
に撮影しましょう、ということです。
ちなみに、「人が住んでいない場所」を見つける方法ですが、私はケータイ会社のエリアマップを参照しています。つまり、ケータイの電波が薄い場所を探しています。ケータイの電波が少ない場所は人が住んでいない場所だと思われるので、圏外と思われる場所を探せば、そこには「人が住んでいない」可能性が高いと思われます。
⑥についてですが、星って見上げているだけだといつもそこにあるイメージなんですが、実は動いているんですよね。地動説ですね。
三脚でガッチリカメラを固定しても、星のほうが(正確には地球が)動きます。そうするともちろんブレます。ブレっていうのは、ある場所からきた光が隣の画素にズレてしまうと発生します。星も光りますから、ブレます。被写体ブレと同じ原理ですね。
なので、星の動きがカメラの画素のなかに収まるくらいのズレに抑えなければいけません。それがだいたい露光時間でいうと1~2秒程度となるようです。
「星を明るくしたい!!」とおもって長時間露光しても、星のほうがズレるので星の光は明るくならず、空の明るさがセンサに積もっていきます。
星を取るとき、あまり長い時間露光しても星が明るくなりません!!露光時間は1~2秒程度にしましょう。
では、みなさも撮影を楽しんでください。